【看護師執筆】 インフルエンザってなに?赤ちゃんの症状、注意点、予防方法は?

病気とホームケア

毎年冬になるとやってくる、インフルエンザの季節。流行のニュースを聞くたびにドキドキしますよね。特に子育て中だと、わが子がかかってしまわないかと、なおさら不安になると思います。インフルエンザから赤ちゃんを守るためにはどうしたらよいのでしょうか?

今回は、赤ちゃんがインフルエンザにかかってしまった時にどうすればよいか、お世話するときのポイントと、予防方法について、看護師が解説します。

インフルエンザってどんな病気?

感染力がとても強いインフルエンザウイルスによって引き起こされる病気です。感染すると1~4日間の潜伏期間のあと、発熱・頭痛・関節痛・筋肉痛・全身の倦怠感などの全身症状が突然現れます。40度近い高熱が4〜5日続いたり、一度解熱したあとに再び熱が上がったりすることがあるのも特徴です。

赤ちゃんの場合、熱が急に上がる、ひどく機嫌が悪くなる、ぐったりする、嘔吐や下痢の症状が出ることもあります。

また、インフルエンザ脳症を発症する確率が大人に比べて高くなります。インフルエンザ脳症とは、インフルエンザウイルスの感染によって、脳が障害を起こしてしまった合併症のことです。けいれんや意識障害を引き起こし、死亡率は25%と高く、救命が出来ても重い後遺症が残ることも少なくありません。他にも、肺炎や気管支炎を合併することがあります。

お熱が高そう、インフルエンザかも…自分で判断せず受診しましょう

赤ちゃんの場合、自分で症状を表現できないのでわかりづらいですね。では、どんな時に受診するのがよいのでしょうか。

次のような症状があるときは、重症のサインです。すぐに受診(夜間であれば救急病院を受診)しましょう。

  • ぐったりしていて、活気がない
  • 水分を欲しがらない
  • 飲んでもすぐに吐き戻してしまう
  • 呼吸が苦しそう、唇の色が悪い
  • 5分以上のけいれん(この場合は救急車を呼びましょう)

家でお世話するときはどうすればいいの?

重症化のサインに注意

まれに肺炎や気管支炎、脳症などを合併し、重症化することがあります。赤ちゃんを1人にせず、上で述べたような重症のサインに注意して、定期的に状態を見守るようにしましょう。

水分をしっかり与えましょう

熱を下げようと汗をかいたり、下痢や嘔吐をしたりすると、体の水分が奪われます。脱水状態になるのを防ぐため、こまめに水分を与えることが大切です。

熱や嘔吐や下痢がある場合、経口補水液(イオン水)を与えましょう。スポーツドリンクでは糖分が多くなるため、ドラッグストアなどで買える赤ちゃん用のイオン水をおすすめします。それを、哺乳瓶やコップの他、スパウトやスポイトを使って少しずつ与えるのも良いと思います。

しかし、イオン水の味が嫌いな赤ちゃんもいますね。イオン水を嫌がって飲まない場合には、白湯や麦茶、それらも飲まない場合は、ミルクや母乳でも構いません。一度に量を飲めないときには、こまめに与えるようにしましょう。

自分で判断して薬を使わない

高熱が出たからといって、市販薬や以前処方された薬などの家にある解熱剤をご自身の判断で使用することは大変危険です。間違った解熱剤を使うことで、インフルエンザ脳症が引き起こされるともいわれています。

お手持ちの解熱剤は、受診して医師と相談した上で使用しましょう。

家族に感染を広げないよう、対策しましょう

受診したからと言って、すぐに熱が収まるとは限りません。ご自宅でお世話される際には、下記のようなことに気を付けられると良いですよ。

  1. お世話する人は1人に決めて、他の家族は不必要に接触しないようにしましょう。
  2. お世話するときは、使い捨てのマスクや手袋を着用しましょう。
    子どもは突然吐いたり下痢をしたりするものです。突然の事態に備えて、普段から使い捨てのマスク・手袋・ペット用シーツ(嘔吐が続くときに、寝ているシーツの上に敷いておくと掃除が楽です)を用意しておくと便利です。
  3. お世話した後は、マスクをはずし、手を洗いましょう。
    手洗いは流水と石鹸で15秒以上洗い、水分を十分に拭き取りましょう。手指消毒用のアルコールによる消毒にも効果があります。
  4. 使用したティッシュやマスクや手袋などのごみを捨てるときには、他の人が触れないよう、ビニール袋などに入れ、しっかり口を縛って捨てましょう。
  5. よく触れる場所(机・ドアノブ・スイッチなど)を清掃・消毒しましょう。

インフルエンザはかからないのが一番!予防方法は?

大人も含めて、一般的なインフルエンザ予防では

  1. 流行前にワクチンを接種する
  2. 外出した後は手洗い等をする
  3. 適度な湿度(50〜60%)を保つ
  4. 十分な休養とバランスの摂れた栄養をとる
  5. 人混みへの外出を控える

以上の5点が原則です。

赤ちゃんでも、基本的には大人と同じ方法で予防します。インフルエンザの予防接種は生後6ヶ月から打つことができます。13歳未満では2〜4週間をあけて2回接種します。

1歳未満では予防接種をしても抗体がつきにくい(効果が薄い)という考えもありますので、接種についてはかかりつけの医師と相談してください。

赤ちゃんのインフルエンザの多くは、家庭内感染によるものです。家族がしっかり感染予防をして、家庭にインフルエンザウイルスを持ち込まないことが何よりの予防になります。

赤ちゃんを守るためにも、家族全員で気をつけたいですね。

参考文献

厚生労働省 インフルエンザQ&A
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
東京都保健福祉局  インフルエンザについて
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/kansen/influ.html
日本小児科学会ガイドライン
https://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=2

【執筆者紹介】

看護師・保健師
安田紗貴

大学病院で小児科と産婦人科合わせて6年間勤務。産婦人科クリニックや小・中学校での勤務経験も有り。「育児ケアオンライン」のサポーターとして活躍

日々の育児をLINEで医療職に相談できます

助産師、管理栄養士、看護師・保健師が育児のご相談にのります<詳細はクリック>