【管理栄養士執筆】 母乳にはどんな栄養が含まれているの?

授乳

ご出産おめでとうございます。これから赤ちゃんがすくすくと育っていきます。

赤ちゃんの成長に必要な栄養源のひとつが母乳です。では、母乳にはどのような栄養が含まれているのでしょうか。管理栄養士が解説します。

母乳は赤ちゃんに最適な成分組成

離乳食開始までの赤ちゃんの栄養源は、100%乳汁(母乳や育児用ミルク)です。ですので、母乳は赤ちゃんにとって最適な栄養成分組成で代謝の負担も少なくできています。

また、母乳育児には感染症の発症や重症度の低下、母子関係の良好な形成、出産後のママの母体回復の促進など、様々なメリットがあることが分かっています。

母乳の栄養成分

母乳は牛乳に比べるとたんぱく質やミネラルが少なく、糖質が多いのが特徴です。

たんぱく質

たんぱく質の中でも牛乳は「カゼイン」と呼ばれるたんぱく質が多いのに対し、母乳には「ラクトフェリン」や「ラクトアルブミン」というたんぱく質が多く含まれます。

また出産後数日の母乳は初乳と呼ばれ、その後の母乳に比べると「分泌型IgA」という感染予防のたんぱく質が多いという特徴もあります。

赤ちゃんの成長とともに、母乳のたんぱく質は減っていきます。

脂質

母乳に含まれる脂肪は赤ちゃんが自分の身体で作り出すのが難しいものが多く含まれていたり、消化がしやすい形になっています。

糖質

乳糖がもっとも多く、他にはいわゆる善玉菌のエサになってくれるオリゴ糖も含まれています。

ビタミンK

母乳にはビタミンKが十分な量含まれていません。

またビタミンKは胎盤も通過しにくく、更に赤ちゃんは大人と違い腸内細菌によるビタミンKの産生も少ないため、出産直後にはビタミンKの経口投与が行われています。

鉄も、母乳には非常に少ない量しか含まれていません。しかし、ビタミンKと違い、お腹の中にいるときに胎盤を通してママから鉄をもらい蓄えていますよ。

9か月頃からはこの蓄えが減って母乳だけでは足りなくなるため、離乳食では鉄の多いものを取り入れるようにしましょう。

鉄の不足が心配な場合はフォローアップミルクの利用もひとつの方法です。(フォローアップミルクについては下記のコラムも参考にしてくださいね)

「【管理栄養士執筆】 育児用粉ミルクとフォローアップミルクの違いって?」

https://blog.ikujicare.jp/2019/03/10/formula-milk/

母乳成分の変化

前項でお話したように、赤ちゃんの成長とともに母乳の成分は少しずつ変化します。

初乳に多く免疫に関係する分泌型IgA、その他たんぱく質が最も特徴的で、赤ちゃんの成長とともに減っていきます。

また、脂肪の種類やヨウ素、ナトリウムなどはママの食事内容に影響され変化することも分かってきています。

授乳期間中、アルコール以外は特別制限する必要のあるものはありませんが、バランスのよい食事は心がけたいですね。

母乳だけが栄養ではない

母乳は赤ちゃんにとって素晴らしい栄養源ですが、それだけが赤ちゃんの栄養ではありません。

粉ミルクなどの育児用ミルクも、赤ちゃんが健康に成長できるよう色々な調整がなされていますよ。

参考
厚生労働省 授乳・離乳支援ガイド
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/s0314-17.html
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf

【執筆者紹介】

管理栄養士
仲村ゆうな

大学の栄養科を卒業後、総合病院にて7年勤務。
産婦人科を含む幅広い診療科で、妊娠悪阻の食事管理、低体重の赤ちゃんの栄養指導、産後ママの体重管理、生活習慣病の栄養指導など、のべ1万人以上の栄養サポートを行う。「育児ケアオンライン」のサポーターとして活躍

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