【助産師執筆】 出産はどのくらい痛いの?痛みの程度と緩和方法を解説

出産

「出産って、どのくらい痛いのかな」と不安になりますよね。

出産が近づいてくると、陣痛を乗り切ることができるのか心配に感じてしまう妊婦さんは少なくありません。

一般的に陣痛は痛いというイメージがありますが、陣痛は赤ちゃんが生まれるために必要な力です。

痛みを和らげることで妊婦さんの身体や気持ちが楽になり、出産が進みやすくなります。

今回は出産の進行に伴う痛みの変化と痛みを和らげる方法について助産師が解説していきます。

出産はなぜ痛いの?痛みを感じる理由とは

出産が始まると妊婦さんは陣痛を経験しますが、陣痛によって子宮が収縮すること、赤ちゃんが通る子宮口や膣といった産道が広げられることが痛みを感じる原因です。

また、出産の時に腰や背中に痛みを感じる妊婦さんも多くいます。

子宮、子宮口、膣の神経は腰や背中につながっているため、陣痛や出産の進行で赤ちゃんが子宮から押し出されることで腰や背中にも痛みを感じるようになるからなのです。

陣痛は少しずつ強くなる!痛みの強さはどのように変化する?

陣痛と聞くと、突然いきなり痛くなるというイメージを持っていませんか?
テレビドラマで、妊婦さんが突然お腹をおさえてしかめた顔をし、陣痛が始まったことを表現しているシーンをみかけますよね。

実は、陣痛は少しずつ強くなるため、突然痛くなるわけではないのです。

出産の始まりは10分間隔の陣痛、1時間に6回程度の陣痛が1時間以上続く場合とされていますが、この時の陣痛の強さはまだ弱いです。

妊婦さんによっては「生理痛のような痛み」、「お腹が張っているのはわかるけど、痛みなのかわからない」と表現しますし、痛みの感じ方はそれぞれの妊婦さんによるのです。

ここから少しずつ痛みの強さが増して、赤ちゃんがもうすぐ生まれるという時期になると陣痛がきている時に自然といきみたくなります。

痛みが弱いうちから妊婦さん自身が、「和らいでいる」と思える緩和方法を見つけることが大切になります。

痛みの強さだけじゃない、出産の痛みは場所も変化する

出産の痛みの特徴として、少しずつ痛みが強くなるということを解説しました。
もう一つの特徴として、出産の進行に伴って痛みの場所が変化することがあります。

出産が始まった時期は陣痛で子宮が収縮して、子宮口が広がるために痛みを感じます。

この時期は下腹部、背中や腰に痛みを感じ、「鈍い痛み」や「生理痛のような痛み」を感じる妊婦さんが多いですね。

出産が進み子宮口がさらに広がって赤ちゃんの頭が下がってくると、痛みの場所はお腹全体、おしりに近い腰の部分、太ももに変わってきます。

赤ちゃんの頭が下がってきているので、少しずついきみたい感覚を感じるようにもなりますね。

赤ちゃんが生まれる時期が近くなり、いきんでも良い時期になると、お腹全体、腰、太ももに加えて、おしりや外陰部にも痛みが出てきます。

この時期になると、いきみたい感覚が強くなっているため、「お腹の痛みもあるけど、いきんだ方が楽だ」と話す妊婦さんもいますよ。

痛みを上手にのがす!出産の痛みを和らげる5つの方法

痛みの和らげ方は 妊婦さん自身に合った方法を見つけることが大切だと解説しました。

ここでは5つの方法を解説しますので、いろいろ試してみてくださいね。

呼吸法

呼吸法は何も道具を使わずに妊婦さん自身ができる、痛みを和らげる方法です。

陣痛がきて痛みを感じている時に、できるだけ長く息を吐くようにします。

息を吐いている時は副交感神経が働くため、身体から力を抜いてリラックスできるようになるのです。

姿勢を変える

出産の時はできるかぎり、様々な姿勢を試してみることをおすすめします。妊婦さんが楽だと感じる姿勢をとって、出産の痛みをのがしましょう。

立位、横向き、四つん這い、椅子に座る、あぐらをかくなど自由に姿勢を変えて、楽な姿勢を見つけてくださいね。

しかし妊婦さんや赤ちゃんの状態によっては、出産が早く進むように医療者から横向きや四つん這いをすすめられ ることもありますので、その時はアドバイス通りにしましょう。

マッサージ

痛みを感じる部分をさすったり、圧迫したりする方法です。

多くの妊婦さんは腰をさすったり圧迫したりするマッサージを好まれますが、どちらの方法が良いかは妊婦さんの感じ方によります。

家族や医療者とともに、マッサージを試してみて自分にあったマッサージをしてもらいましょう。

出産が近くなるといきみたい感覚が出てきますが、拳やテニスボールを使っておしりを圧迫すると楽になる場合もあるので試してみてください。

痛みがある場所を温める

身体を温めると筋肉が弛緩するので、痛みを和らげることができます。

温かいタオルなどで腰やお腹を温めたり、シャワー浴をしたりすることで痛みの緩和が可能です。

この方法を試す場合はやけどに十分注意して、医療者と相談して行ってくださいね。

アロマセラピー

アロマセラピーは精油を使ってマッサージをする、精油の香りで痛みを和らげる方法です。

出産の時には鎮静作用のあるラベンダーやローズが使用されています。

アロマセラピーを使った痛みの緩和を希望する場合は、アロマセラピーを実施している分娩施設を探してみるのも方法ですね。

自分で実施する場合は分娩施設にアロマセラピーの実施が可能かどうかを問い合わせておきましょう。

参考文献
公益財団法人日本医療機能評価機構 Minds ガイドラインライブラリ
https://minds.jcqhc.or.jp/n/pub/2/pub0056/G0000206/0008
助産学診断・技術学Ⅱ[2]分娩期・産褥期 第4版第3刷 医学書院 P.152-159

自分に合った方法で痛みを緩和し出産に臨みましょう

出産の進行と痛みの変化についてイメージできましたか?

陣痛の痛みは出産が進むとともに、少しずつ強さが増していき、痛みの場所も変化していきます。

陣痛には痛みが伴いますが、妊婦さん自身に合った方法で痛みを和らげることがポイントで、痛みと上手に向き合うことにつながりますよ。

そして陣痛を乗り切るために周りの人を頼ってくださいね。

出産の時は家族や医療者にサポートしてもらって、赤ちゃんを迎えましょう。

【執筆者紹介】

助産師、保健師、看護師
菊地 綾香

総合病院、産科クリニックに勤務。看護大学教員として看護学生や助産師学生の教育にも携わる。約8年の助産師経験から得た妊娠、出産、育児に関する確かな知識と情報を届けるための活動も行なっている。

日々の育児をLINEで医療職に相談できます

助産師、管理栄養士、看護師・保健師が育児のご相談にのります<詳細はクリック>