【助産師執筆】妊娠中のむくみが気になる!原因と対処法を解説!

妊娠中の生活

「足や手がむくんできた」とむくみが気になっていませんか?

妊娠中はむくみが起こりやすく、悩む妊婦さんが多くいらっしゃいます。

むくみは妊娠による身体の変化が原因で起こりますが、適切に対処することでむくみを軽減させることが可能です。

今回は助産師が妊娠中のむくみの原因と対処法について、詳しく解説していきます。

妊娠8か月を過ぎるとむくみが出やすい

妊娠するとマイナートラブルと呼ばれている、妊婦さんが不快に感じる症状が出ることがありますが、むくみは妊婦さんが経験することが多いです。

妊娠8か月(妊娠28以降)を過ぎるとむくみが出やすくなり、足や手、顔にまでむくみが出ることがあります。

いつも履いている靴がきつくなった、足に靴下の跡がつくようになった、朝に手を動かしづらくなったという症状でむくみに気づく妊婦さんもいます。

妊婦健診では毎回むくみが出ていないか医療者が確認しているので、医療者に言われて気づく妊婦さんもいますね。

妊娠中にむくみが出る3つの原因

原因1:全身の水分量が増えるため

妊娠すると体内の水分バランスが変化するので、身体に水分を貯め込むようになります。

増える水分量は妊娠していない時に比べて約40%です。

加えて妊娠中は代謝が活発になるため、妊婦さんは汗をかきやすく、喉が乾きやすくなり水分補給が自然と促されて身体の水分量が増えます。

増加した全身の水分は、妊婦さんの血液量を増やします。

血液量が増えることで、妊婦さんの身体と赤ちゃんに栄養を運ぶ胎盤の間の血液の流れをスムーズにして、栄養交換をしやすくするために役立つのです。

原因2:妊娠に関わるホルモンの働きのため

妊娠すると様々なホルモンの分泌量が増えて、ホルモンバランスが変化します。

妊娠を維持するために分泌量が増えるホルモンの一つにエストロゲンがあります。

エストロゲンは身体の水分量を貯め込む働きもあり、妊娠中は身体の水分量が増加するのです。

原因3:静脈が圧迫される

赤ちゃんが成長すると子宮も大きくなりますよね。

子宮が大きくなることに伴って、心臓に戻る静脈が圧迫されるようになります。

すると身体の末端へ流れた血液が心臓に戻りにくくなってしまい、むくみを引き起こしてしまいます。

むくみを少しでも楽に!8つの対処法を実践しよう

方法1:長時間の立位や座位をとらない

長時間、立位や座位をとるとむくみやすくなります。

増加した全身の血液は心臓を出た後に身体の末端である手や足まで届けられますが、立位や座位を長時間とっていると血液が心臓へ戻りにくくなってしまいます。

方法2:足首の運動

足首を動かすことで、足の血流を良くすることができます。

足の指先を上に向けるようなイメージで、「上げる」「下げる」を繰り返してください。

足首の運動は椅子に座りながらでも出来ますので、仕事の時などに活用できますよ。

方法3:過剰な食事の塩分摂取を控える

身体に塩分のもとであるナトリウムを取り込み過ぎると、ナトリウムは身体の水分を保つ働きがあるので、体内の水分量が増えてしまいむくみやすくなります。

方法4:水分摂取はこまめに

むくみが出ると水分摂取を制限してしまう妊婦さんがいます。

しかし、水分摂取は赤ちゃんが成長するための妊婦さんの血液や活発になった代謝によって脱水にならないようにするために必要なことです。

無理に水分摂取は制限せず、こまめに水分を摂るようにしましょう。

方法5:足を高くして眠る

横になって休む時には枕やクッションを足の下に置いたり、足に挟んだりして足を高くすると良いです。

足を高くし過ぎると腰に負担がかかってしまうので、腰が痛くならない高さに調整してください。

方法6:手の運動

むくみは足だけではなく、手に出ることもあります。

手がむくむと動かしづらいだけではなく、周囲の神経が圧迫されて痺れを感じる場合もあります。

手にむくみがある時は、手を握って開くという運動をしましょう。

動かしづらい時は、少しずつゆっくりと握ったり開いたりすることで、むくみが軽減されます。

方法7:着圧ストッキングをつける

着圧ストッキングの着用も足のむくみを軽減させる方法です。

妊娠中でも着用可能な市販の着圧ストッキングでも構いませんし、医療機関によっては弾性ストッキングを販売していますので、医療機関から購入することもできます。

方法8:締め付けの少ない衣類を身につける

下着や衣類で身体を締め付けると身体の循環が滞り、むくみやすくなります。

お腹や胸、腰回り、腕にゆとりのある下着や衣類を選んで身体の循環を保てるようにしましょう。

心配な時は医療機関に相談を!

妊娠中のむくみはマイナートラブルの症状なので、日常生活の工夫をすることで対処することができます。

しかし、むくみ以外にも以下の症状が出ている場合は医療機関に相談をしてくださいね。

  • 急にむくみが強くなった
  • 頭痛がする
  • 全身がだるい
  • 尿量が減った
  • 全身がむくんでいる

上記の症状が出ている場合は、血圧が高くなっていたり、腎臓の機能が低下していたりするために生じている症状の可能性があります。

症状がなかったとしても心配に感じた時は医療機関に相談するようにしましょう。

対処法を上手に取り入れてむくみの対策を!

妊娠中は身体の水分量が増えたり、妊婦さんの身体が変化したりすることでむくみが出やすくなります。

しかし、日常生活に対処法を取り入れることでむくみを楽にすることはできます。

できそうな対処法から実践していただいて、むくみの軽減に繋がると幸いです。
また、むくみは血圧が高くなっているなどの病気の症状が隠されている場合もあります。

心配な時や気になった時は遠慮せずに医療機関に相談をして解決してくださいね。

参照元
助産診断・技術学Ⅱ[1]妊娠期 医学書院 第4版第3刷 P.46〜48
日本助産学会誌 エビデンスに基づくガイドライン–妊娠期・分娩期 2016
日本産科婦人科学会 妊娠高血圧症候群
URL:http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=6
日本妊娠高血圧学会 妊娠高血圧症候群Q&A
URL:http://www.jsshp.jp/general/

【執筆者紹介】

助産師、保健師、看護師
菊地 綾香

総合病院、産科クリニックに勤務。看護大学教員として看護学生や助産師学生の教育にも携わる。約8年の助産師経験から得た妊娠、出産、育児に関する確かな知識と情報を届けるための活動も行なっている。

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