【管理栄養士執筆】離乳食を食べない・食べすぎて心配!赤ちゃんの栄養面から見た対策や離乳食の進め方とは?

離乳食

「せっかく離乳食を作っても全然食べてくれなくて困っています。」「離乳食をよく食べるのですが、将来肥満にならないか心配です。」など、お子さんが食べる離乳食の量に関してお悩みはとても多く寄せられます。

そんな「離乳食を食べない・食べすぎる」というお悩みについて、原因と対策ポイントお答えします。

離乳食を食べない原因とは

離乳食を食べない原因はお子様によって様々です。

よくある理由としては、

  1. 食形態が合っていない
  2. 味やにおいが苦手
  3. お腹が空いていない(食事リズム)
  4. 機嫌が悪い(眠い・体調が悪い)
  5. 食具が合っていない
  6. 母乳・ミルクの量が多い

などがあげられます。

食べないお子さんの対処法とは

1.食形態が合っていない

お子さんの食べている様子をよく観察し、飲み込みや舌や歯茎ですりつぶすこと、歯茎で噛むことなど、どの程度までお子さんの咀嚼(そしゃく)機能が発達しているか確認しながら進めましょう。

離乳食のステップアップは緩やかに行うことがポイントです。

主食・主菜・副菜メニューのうち1品を次のステップの食形態にして徐々に食材の大きさや固さをアップさせます。

食べられなければスプーンで少し潰してあげたり、お粥などにまぜて食べやすくしたり、拒否が強ければしばらく時間を空けて再チャレンジするなどして少しずつ慣らしていくと良いでしょう。

2.味やにおいが苦手(母乳やミルクの方が好き)

個人差はありますが、乳児期は甘味や旨味のある味を好みますが、苦味や酸味のある味は好まない傾向があります。また、口に入れる前に食材のにおいを嫌がり食べないお子さんもいます。

素材の味のみで離乳食を与えている場合は、お出汁やコンソメ、バターやごま油、ミルクや豆乳などを少量加え、旨味や風味を足してあげると味やにおいが緩和され食べやすくなります。

また、母乳やミルクが好きなお子さんには、母乳やミルクを使用したミルク粥やミルクポタージュなどの離乳食メニューを試してみるのもおすすめです。

3.お腹が空いていない(食事のリズム2~3時間空けていない)

生後6か月から1歳頃の乳幼児の胃袋の容量は200~300㎖程度。

離乳食を与えるタイミングは、前回の授乳または離乳食から3~4時間あけるとお腹が空いて食べてくれやすいです。

4.機嫌が悪い(眠い・体調が悪いなど)

眠い、体調が悪いなどの理由でお子さんの機嫌が悪い時は食べてくれないことが多いです。

そのような時は無理に食べさせず、離乳食を中止したり、食事時間をずらして、様子をみても良いでしょう。

ただ、長期間のお休みはお子さんの咀嚼(そしゃく)機能の発達を遅らせてしまうリスクや、母乳だけでは栄養不良になる恐れがあるため、離乳食は生後6か月までには開始し、9か月になったら少量しか食べなくても3回食をスタートさせましょう。

5.食具(スプーン)が合っていない

離乳食用のスプーンでも大きさや材質など様々な種類があります。金属は口当たりが固いので、シリコンやプラスチックの小さめでくぼみが深すぎないものがおススメです。

色々なスプーンを試してお子さんに合ったものを探してみてください。

6.母乳・ミルクの量が多い

生後5・6か月頃は1日の栄養素の8~9割は母乳やミルクから補っており、この時期は離乳食の舌触りや食感、味に慣れ、上手に飲み込む練習をする時期なので、食べる量にとらわれず、一口でも食べてくれたらOKといったゆったりとした気持ちで進めてください。

離乳食中期以降は、授乳時間、起床・就寝時間など生活リズムを整え、よく身体を動かし、離乳食の時間に空腹感を感じさせるように促すことも大切なポイントです。

離乳食の本などには、離乳食を食べさせてから母乳やミルクを与えるとの記載が多いですが、離乳食よりも母乳やミルクを飲みたがり、離乳食を食べさせようとすると泣いて嫌がるお子さんには、先に母乳やミルクを少し与えてから気持ちを落ち着かせてから離乳食を与えるほうが食べてくれる場合もありますので、ルールにとらわれずお子さんの気持ちに寄り添ってすすめましょう。

離乳食を食べすぎる原因とは

逆に、離乳食をよく食べてもっと欲しがる、食べすぎが心配というお子さんの場合は、

  1. 食形態が合っていない(柔らかすぎる)
  2. 食欲が旺盛で、目安量が本人にとって適切な量ではない。
  3. 母乳やミルクより離乳食が好き

という場合が多いです。

食べすぎる場合の対処法とは

1.食形態が合っていない(柔らかすぎる)

離乳食をよく食べる、食べるのが速いお子さんは、食形態がやわらかすぎてよく咀嚼(そしゃく)できておらず、離乳食を丸呑みして早食いになっている可能性もあります。
食形態を見直して少し固さを残す、食材を大きく切るなどして食形態をアップさせてみましょう。

はじめは主食・主菜・副菜のうち、1品よく噛めるメニューを用意するなど徐々にゆっくり食べる事に慣れさせる工夫すると良いでしょう。

保護者はお子さんが一口ごとによく噛んでいるか確認して、あまり噛まずに飲み込んでいる場合は「もぐもぐよくかんで食べようね」と声掛けして、よく噛んで食べる様子を見せてあげると効果的です。

2.食欲が旺盛で、目安量が本人にとって適切な量ではない

離乳食の目安量はあくまでも目安であり、その月齢のお子さんが食べる量の平均値から算出しています。なので、平均値を基準に0.8~1.2倍のふり幅があります。

そのため良く食べるお子さんは目安量の1.2倍までは増やしても大丈夫です。

特に、もともと出生体重が重めで大きく生まれた場合はよく飲み、よく食べるタイプのお子さんが多いようです。

乳児期の肥満は歩き始めて活動量が増えると、次第に標準体重の範囲内に収まっていくことが多く、将来的に小児肥満にはなるリスクは低いといわれています。

3.母乳やミルクより離乳食が好き

母乳やミルクよりも離乳食を好むお子さんもいます。

ただ、お子さんの好きなものばかり欲しがるだけ食べさせるのは栄養バランスの乱れにつながりますので、離乳食中期以降はその月齢で食べられる様々な食材を使って色々な料理を食べさせ、主食・主菜・副菜バランスよく食べさせるようこころがけましょう。

特に乳児は腎機能や消化機能が未発達なので、タンパク質や塩分、脂質の過剰摂取には注意が必要です。

タンパク質は月齢別の目安量より過剰に摂りすぎないようにし、食事量が増えることによる塩分や脂質の過剰摂取にも気を付けましょう。

食べすぎ・食べなさすぎで心配…栄養の過不足はどう判断すればいい?

お子さんが離乳食を食べない・食べすぎることによって、成長・発達が心配な時は、母子手帳にある乳児の成長曲線を確認してみましょう。

成長曲線のグラフが短期間に急激に下がったり、上がったりしていないか定期的にチェックすることで、成長に必要な摂取カロリーや栄養量のおおよその過不足を確認することができます。

もともと遺伝的に体格が細身や大きいお子さんもいますので、成長曲線の標準域から少し外れていたとしても、出生時の身長・体重から緩やかなカーブで徐々に身長・体重が増えていれば、お子さんの個性と判断できます。

また、乳児期の肥満は歩き始めるようになると標準体重の範囲内に体重が落ちていくことが多いのも特徴です。

まとめ

毎日離乳食を与える中で、「今日はこの食材はよく食べたけど、これは一口も食べなかった」など一喜一憂して不安やストレスは大きくなってしまうこともあるかと思います。

そんなときは、1週間や1か月単位といった長期的な視点でどうだったか振り返ってみましょう。

そうすることで、お子さんの成長を感じたり、食の好みを見つけたり、悩みを解決するヒントに気づくことができます。

赤ちゃんにとっては離乳食の時間も遊びや楽しみの一貫です。

離乳食を通して『食べる事が好き・楽しい』という気持ち育むことはとても大切な食育になります。

ぜひ少し肩の力を抜いて、約1年間の離乳食期間を親子で楽しんでいただければと思います。

参考文献
授乳・離乳の支援ガイド 厚生労働省
授乳・離乳の支援ガイド実践の手引き 母子衛生研究会
子どもの食と栄養 堤ちはる・土井正子 編著 萌文書林

【レシピ作成者紹介】
管理栄養士 一藁 暁子(いちわら あきこ)

女子栄養大学実践栄養学科卒業。病院・クリニック・高齢者施設にて多様な病態における栄養ケアマネジメント、治療食・介護食の提供に携わる。 管理栄養士として、より多くの方の食の不安や悩みに寄り添いサポートしたいという思いから、現在は出産を機にフリーランスの活動を広げ、乳幼児から高齢者まで一人ひとりのライフステージ、生活背景、想いを尊重したエビデンスに基づく栄養相談や食環境のサポート、レシピ考案、栄養に関する記事執筆などを手掛けている。

 

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