【管理栄養士執筆】鶏卵アレルギーと診断されても大丈夫!離乳食を進めるためのポイント

離乳食

元気に成長してもらえるように離乳食を進めていきたい、でもアレルギーが怖くて食べさせるのが怖い…。2つの不安を抱え悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

今回は鶏卵アレルギーと診断され、自宅で完全除去食を行う場合に気を付けたいポイントを管理栄養士が解説していきます。

食物アレルギーの原因 最も多いのは鶏卵

アレルギーの原因となる食物は色々ありますが、なかでも鶏卵は最も頻度が高く、特に0歳児の食物アレルギーの約60%は鶏卵だといわれています。

アレルギーの原因となる物質を「アレルゲン」といいますが、鶏卵は主に卵白にアレルゲンが多く含まれています。

離乳食を開始する際に、「卵黄からスタートしましょう」と言われるのはこれが理由の1つです。

鶏卵アレルギーと診断されたら

除去が必要な食品

鶏卵そのものはもちろんですが、マヨネーズや練り製品(ちくわ・はんぺん・かまぼこなど)、肉加工品(ハム・ウインナーなど)、麺類などの加工品には卵を使用しているものが多く除去が必要になります。

製品によっては卵を使用していないものもあるので、購入する際は商品に記載されている表示をよく確認し、卵が含まれていないものを選ぶようにしましょう。

1つ注意が必要な点は、店頭などで容器に包装されずに販売されている食品です。包装されていない食品に関してはアレルギー表示の義務がありません。このような販売形式の食品に関しては、「表示されていない=使用されていない」ではありませんので、店の方に必ず確認をしましょう。

除去が不要な食品

菓子類などの加工食品に使用されることの多い「卵殻カルシウム」は、名前の通り卵の殻から作られている食品添加物ですが、アレルゲンとなるタンパク質をほとんど含んでいないので一般的に除去する必要はありません。

また、鶏肉を心配される方もいらっしゃいますが、鶏肉と鶏卵はアレルゲンの構造が違うので反応を起こす事はありません。ですので、鶏卵アレルギーでは原則として除去をする必要はないので安心してくださいね。

鶏卵を除去することで不足しやすい栄養素と対策は?

鶏卵はビタミンCと食物繊維以外の栄養素が含まれているとても優秀な食品です。とくに、体をつくるタンパク質が多く含まれるため、鶏卵を除去することでタンパク質が不足する可能性があります。

代わりの食品を上手に活用

鶏卵を除去することになっても、タンパク質は牛乳・豆腐・肉・魚など、様々な食品からも十分に取り入れることができます。

とくに、赤身の肉・魚には吸収効率の良いヘム鉄も豊富に含まれています。成長とともに不足しがちになる鉄分をタンパク質と合わせて補給することができ、貧血予防にも効果が期待できます。

ただし、離乳食を開始して間もない生後5~6ヶ月頃は脂の比較的少ない白身魚にして、赤身魚や肉類は離乳食に少し慣れてきた生後7ヶ月以降に取り入れるようにしましょう。

代替食品の目安量は?

鶏卵1個(約50g)あたりに含まれるタンパク質と同程度を他の食品で補う場合の量は以下の通りです。

  • 牛乳…約200g
  • スキムミルク…約20g
  • チーズ…約30g
  • 豆腐(木綿)…約80g
  • 豆腐(絹)…約120g
  • 肉・魚…約30g

各食品によって量が異なることがわかりますね。豆腐も木綿と絹では量が異なるのも1つポイントです。

月齢によって離乳食に使用する食材の目安量が異なりますので、下記の表を参考に各食品を組み合わせ、鶏卵の代わりのタンパク源として離乳食に取り入れてみましょう。
※厚生労働省が発表している「授乳・離乳の支援ガイド」に示されている1回あたりの鶏卵摂取量をもとに、同程度のタンパク質を各食品で補う場合のグラムを算出しています。

鶏卵を使わない離乳食レシピ

鶏卵を除去すると卵の色味が使えない分、メニューに彩りが少なくなりがちです。味や栄養だけでなく、視覚から取り入れる情報も離乳食を考えるうえで大切な要素の1つです。そこで今回はカボチャを利用して簡単に作れるパンケーキのレシピをご紹介します。

カボチャのパンケーキ

【材料】

  • 小麦粉…25g(大さじ3)
  • 蒸しかぼちゃ…30g
  • 牛乳…60g(大さじ4)

【作り方】

  1. 全ての材料をまぜあわせる。
  2. フライパンを中火で熱し、好みの大きさにして両面焼く。

☆かぼちゃは冷凍品や乾燥フレークを使用すると時短になります。
☆牛乳は同量の豆乳またはプレーンヨーグルトで代用可能です。
☆余った分は冷凍保存できるので、忙しい時にも活用できます。

鶏卵アレルギーは成長とともに改善し、約60%の人は6歳までに食べられるようになると言われています。

手作りばかりで疲れてしまった時は、アレルギー食品不使用の市販品を活用するのも1つの方法です。食物アレルギーを怖がらずに、上手に離乳食を進めていきましょうね。

【参考資料】
・日本小児アレルギー学会 食物アレルギー委員会作成、食物アレルギー診療ガイドライン2016
・食物アレルギーの診療の手引き2017
https://sagamihara.hosp.go.jp/pdf/rinken/topics/180319_tebiki2017.pdf
・授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版)https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000496257.pdf

【執筆者紹介】

管理栄養士
山口 すみれ

大学の栄養学科を卒業後、大学院にてアレルギーに関与する遺伝子に関する研究を行う。大学病院にて給食管理の他、食物経口負荷試験や糖尿病教室、嚥下リハビリテーションなどに従事。「育児ケアオンライン」のサポーターとしても活躍」

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