【管理栄養士執筆】牛乳アレルギーの赤ちゃんの食事ってどうすればよいの?美味しく・安全に離乳食を進めるために

離乳食

牛乳は卵の次に赤ちゃんに多いアレルギーの1つです。カルシウム源である牛乳を除去すると赤ちゃんの成長に影響しないか不安になりますよね。

今回は牛乳アレルギーの赤ちゃんの食事・調理のポイントについて、管理栄養士が解説していきます。

牛乳アレルギーの原因となる物質

牛乳にはカゼインとβ-ラクトグロブリンというタンパク質が含まれています。

このうちカゼインは牛乳に含まれるタンパク質の約80%を占めており、アレルギーの原因となる主要成分と言われています。

カゼインは耐熱性があり加熱しても分解されないため、アレルギーを起こす力は弱まらないという特徴があります。

牛乳アレルギーへの対処法

牛乳・乳製品が含まれる食品を避ける

一般的によく知られているバター・ヨーグルト・チーズの他、パンやクッキーのように牛乳を原料とする食品は食べさせるのを控えましょう。

市販品を購入する際は、食品表示をしっかりと確認することも大事です。牛乳はアレルギー表示が義務付けられている特定原材料の1つですが、パン屋のように店頭販売されている食品に関しては対象外なので、注意が必要です。購入する際は店の方に乳成分を使用していないか、確認をしましょう。

また、育児用ミルクにも乳成分が含まれていますので、アレルギー用ミルクを代替品として使用しましょう。(アレルギー用ミルクについては、後程ご紹介します。)

乳成分を含む食品添加物に注意

食品添加物の中には乳成分を含むものが多いのも1つの特徴です。

例えば、ハムのような加工肉には牛乳由来のカゼインナトリウムが使用されている場合があります。一見すると牛乳とは無関係のように思える食品でも、食品添加物に含まれる乳成分には注意が必要ですので、やはり成分表示を確認する必要があります。

食品以外に気を付けておきたいポイント

実は食品だけでなく、一部の石鹸やスキンケアクリーム、入浴剤にも乳成分を使用したものがあるということを皆さんはご存じですか?

これらは食品とは違って口から取り入れるものではありませんが、接触することにより症状が現れる可能性もありますので注意しましょう。

また、牛乳・乳製品は誤食の発生が多い食品です。牛乳アレルギーの赤ちゃんへ直接与えることはなくても、「牛乳が付着した調理器具を十分に洗浄していなかった」、「こぼれていた牛乳に気づかず赤ちゃんが触れてしまった」、という事例もあります。

器具は他の家族用と分けて使用する、赤ちゃんの手の届く場所に乳製品は置かない、など生活環境にも注意しましょう。

名前に「乳」とつくが除去が不要な食品

食物アレルギー診療ガイドライン2016には、牛乳アレルギーであっても牛肉や乳糖は一般的に除去が不要であるとの記載があります。

乳糖は牛乳が原料であっても、アレルギーを引き起こす原因であるタンパク質は微量であるため、原則として除去する必要はありません。

ですが、ごく稀に重症な牛乳アレルギーの赤ちゃんでは除去が必要な場合もありますので、不安な方はアレルギー専門医の先生に相談をしましょう。

牛乳アレルギーの赤ちゃんに不足しやすい栄養素

牛乳を除去することで不足しがちな栄養素はカルシウムとタンパク質です。

乳幼児期は成長が盛んな時期ですので、食物除去をしていたとしても1日に必要なタンパク質とカルシウムは十分に摂る必要があります。

代替食品を利用して上手に補給していきましょう。

牛乳アレルギーの赤ちゃんも利用できるミルク

育児用ミルクの代替品として、ミルクアレルゲンが除去されたアレルギー用ミルクが市販されています。

複数の製品がありますが、それぞれ成分や価格、においや飲みやすさなども異なります。どのミルクを使用するかは主治医の先生と相談して決めましょう。

アレルギー用ミルクと類似した製品で「ペプチドミルク」というものがありますが、これは牛乳のタンパク質を消化吸収しやすくしたミルクです。

赤ちゃんの兄弟や両親にアレルギー体質の方がいて発症しないか不安な方向けに、育児用ミルクの初期導入として利用できるアレルゲン性の低い製品ですが、すでに牛乳アレルギーと診断されている赤ちゃん向けではありませんので、混同しないように注意しましょう。

カルシウムは牛乳以外の食材からも補える

1日に必要なカルシウムは、生後6~11ヶ月は男女ともに250mg、1~2歳は男児:450mg、女児:400mgです。

牛乳以外にもカルシウムの豊富な食品はありますので、ぜひ離乳食作りの参考にしてくださいね。

  • 木綿豆腐…120g(1/3丁)
  • 小松菜(ゆで)…70g
  • 乾燥ひじき…10g
  • しらす干し…50g
  • さくらえび(干し)…5g

特にしらす干しにはカルシウムの吸収を促すビタミンDも豊富に含まれているおすすめの食品です。

代替品を上手に利用しましょう

ソテーでバターを使用したい場合は、植物油脂で抗酸化作用のあるオリーブオイルで代用が可能です。

また、豆乳を乳酸菌で発酵して作った豆乳ヨーグルトが市販されています。カルシウムはあまり含まれていませんが、食感や風味がヨーグルトと似ているので、代替品としておやつ等に利用できますよ。

さらに、先ほど紹介したアレルギー用ミルクを製品に記載されている規定量の湯で溶かし、ミルク煮のような離乳食の代用として応用も可能です。

このように牛乳を使用できなくても代替品を上手く活用することで、バリエーションを広げることができます。

赤ちゃんがすくすくと元気に成長できるように、美味しく・安全に離乳食を進めていきましょうね。

【参考資料】
・日本小児アレルギー学会 食物アレルギー委員会作成、食物アレルギー診療ガイドライン2016
・食物アレルギーの診療の手引き2017
https://sagamihara.hosp.go.jp/pdf/rinken/topics/180319_tebiki2017.pdf

【執筆者紹介】

管理栄養士
山口 すみれ

大学の栄養学科を卒業後、大学院にてアレルギーに関与する遺伝子に関する研究を行う。大学病院にて給食管理の他、食物経口負荷試験や糖尿病教室、嚥下リハビリテーションなどに従事。「育児ケアオンライン」のサポーターとしても活躍」

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