【助産師執筆】妊娠中の腰痛がつらい!対処法や注意点を解説します

妊娠中の生活

妊娠中の腰痛は、日常生活の様々な場面で感じることがあり、つらいと感じる妊婦さんが多いです。

腰痛は、妊婦さんが不快に感じる症状であるマイナートラブルの一つですが、6割から7割の妊婦さんが経験すると言われています。

妊娠生活をより快適に過ごすために、正しい腰痛の対処法を実践することが大切です。

今回は、妊娠中の腰痛について原因や対処法、注意してもらいたい症状を助産師が解説していきます。

妊娠中に起こる腰痛の原因は?

妊娠中に起こる腰痛は大きくわけて2つの原因があります。

一つ目の原因は、妊娠によって分泌されるホルモンの影響。

妊娠すると妊娠を維持していくために、エストロゲンやプロゲステロンが増加するのですが、リラキシンというホルモンも増加します。

エストロゲンは妊娠中の母乳分泌を抑え、プロゲステロンは妊娠を維持する働きがあるホルモンです。

リラキシンは出産に備えて関節やじん帯がゆるめる働きをもっています。

妊娠中に腰痛が起こるのはリラキシンが増加するためで、骨盤と腰椎の関節が動きやすくなったり、じん帯がゆるむようになったりします。

出産に向けて、赤ちゃんが骨盤の中を通りやすくなるように、妊娠中から身体は変化しているんですよ。

結果として、関節が動きやすく、じん帯がゆるむことで腰痛が起きるようになります。

二つ目の原因は、妊娠が経過するにつれて大きくなったお腹が身体の重心を変えること。

特に、赤ちゃんが成長してお腹が大きくなる妊娠末期(妊娠29週、妊娠8か月以降)は身体の重心が前方に傾きます。

重心が前方に傾くと、バランスを保とうとして背中が反った姿勢、背中の筋肉が緊張して腰痛が起こりやすくなります。

妊娠中の腰痛を予防・軽減する3つの対処法

対処法1:正しい姿勢を意識する

正しい姿勢で過ごすことは腰痛の予防に効果があります。

次のポイントを確認しながら正しい姿勢で過ごすように意識してみましょう。

  • 足を自然に開いて、足の裏全体に体重をかけるように立つ
  • 頭が天井から引っ張られているようなイメージで
  • 肩の力を抜いて、おしりと太ももを引き締める
  • 膝は軽く後ろを押すようなイメージで
  • 横から見た時に、耳、肩、腰、足首が一直線になっている

対処法2:妊婦体操をする

妊婦体操にある腰痛を予防・軽減する運動を行うことも腰痛の対処法として良い方法です。

「猫のポーズ」といって、四つん這いになって行う運動なので、気軽に行うことができますよ。

  1. 足と腕を腰幅に開いて四つん這いになる
  2. 息を吐きながら背中で天井を押し上げるイメージで丸くなる
    (この時、おしり、肛門の筋肉も引き締める)
  3. 息を吸って吐きながら、お腹からおしりに向かって力を抜き背中を伸ばす

対処法3:骨盤ベルトを装着する

骨盤ベルトを装着することで腰痛を軽減することもできます。

骨盤ベルトはいくつか種類がありますが、おすすめは産前も産後も使えるタイプのベルトです。

産後に腰痛に悩む方もいますので、産後も見据えて購入しておくと便利ですね。

ベルトの装着方法は以下の通りです。

  1. 仰向けになって装着する
  2. 恥骨結合を見つける(外陰部から少し上のところにある硬い部分)
  3. 上前腸骨棘を見つける(骨盤の左右で突起している部分)
  4. 恥骨結合と上前腸骨棘の間にベルトが回るように装着する
  5. ベルトを装着した時、手が一本分すんなり入るきつさで装着する

腰痛はマイナートラブルだけではない!注意したい症状とは?

ここでは注意しておきたい腰痛について解説します。

腰痛はマイナートラブルだと捉える妊婦さんが多いかと思いますが、流産や早産の症状の場合もあるのです。

腰痛とともに、お腹が張る・痛みがある、出血している場合は医療機関に相談をしてください。

腰痛だけでも、痛みが10分おきなど規則的であれば、流産や早産の症状の可能性があるのでまずは医療機関への相談が必要です。

腰痛を解消して快適な妊娠生活を

腰痛は妊娠によるホルモン分泌やお腹が大きくなることで身体の重心が変化することが原因です。

正しい姿勢を意識したり、妊婦体操や骨盤ベルトといった対処法を実践したりすることで腰痛に対処することができます。

取り入れることができそうな方法から始めてみてくださいね。

しかし、腰痛は流・早産の症状の一つである場合もありますので、心配な時は医療機関に相談しましょう。

参照元
妊娠期の体重増加と腰痛発症時期との関連及び対処法
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjam/31/1/31_16-08/_pdf

助産診断・技術学Ⅱ[1]妊娠期 医学書院 第4版第3刷 P.218、236

【執筆者紹介】

助産師、保健師、看護師
菊地 綾香

総合病院、産科クリニックに勤務。看護大学教員として看護学生や助産師学生の教育にも携わる。約8年の助産師経験から得た妊娠、出産、育児に関する確かな知識と情報を届けるための活動も行なっている。

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