【管理栄養士執筆】赤ちゃんの健やかな発育をサポートする葉酸!妊娠12週までの期間に葉酸を十分にとりましょう

妊娠中の生活

葉酸は細胞が新しく作られるときに必要とされるため、お腹の中の赤ちゃんの正常な発育に大切なビタミンです。

今回は、管理栄養士が赤ちゃんの健やかな発育をサポートする葉酸について解説します。

妊娠中に葉酸が必要な理由は?どのくらい摂取すれば良いの?

妊娠中に十分な葉酸を摂取することは、お腹の赤ちゃんの神経管閉鎖障害の発症リスクを減らすことが期待されています。

神経管は、脳や骨髄のもととなり、妊娠7週までに形成すると言われています。神経管閉鎖のタイミングから計算すると、妊娠を考えている時から十分にとることが大切です。

葉酸には「食物中の葉酸」と強化食品やサプリメントなどに含まれている 「プテロイルモノグルタミン酸」があります。

厚生労働省は、妊娠4週前から妊娠12週の期間、1日当たり食物中の葉酸 (妊婦推奨量480㎍、非妊娠時推奨量240㎍)に加え、プテロイルモノグルタミン酸400㎍を栄養機能食品(葉酸)等から摂取することを推奨しています。

葉酸は意識して摂りましょう。葉酸が十分に摂れる食材は?

葉酸を多く含む食材としては下記のようなものが挙げられますので、参考にしてくださいね。

葉酸を多く含む食材

豚レバー (焼き鳥1本)  30g 243㎍
ホタテ貝  50g 44㎍
とうもろこし(レンジ調理)   1/2本100g 97㎍
枝豆冷凍さや付  50g 78㎍
納豆 中1パック  40g 50㎍
モロヘイヤ  40g 100㎍
ブロッコリー  40g 84㎍
ほうれん草  40g 84㎍
サニーレタス  40g 60㎍
小松菜  40g 27㎍
だいずもやし  40g 34㎍
ミニトマト  3こ40g 14㎍
焼きのり(おにぎりサイズ)  1g 19㎍
いちご  50g 45㎍
ネーブルオレンジ  1こ130g 44㎍
ドライマンゴー  30g 78㎍
バナナ  1本120g 31㎍

主食、主菜、副菜を基本にバランスの良い食事を心がけ、副菜に緑葉野菜を使った料理を1~2皿、間食に葉酸を多く含む果物などの食材を食べると、しっかり摂ることができます。野菜は1日に350g食べるように意識します。

葉酸は、それだけをとって効果を発揮するものではありません。バランスの良い食事で、エネルギー、他のビタミン類が十分にあってこそ、効果を発揮します。

例えば、食物中の葉酸を1日に約650㎍とるためのメニュー例としては、下記のようなものがあります。

1日のメニュー例

  • [朝食]ご飯、納豆、小松菜入具だくさんみそ汁、オレンジ
  • [昼食]鮭おにぎり、たまご焼き、かぼちゃ粉チーズ焼き、ブロッコリーごま和え、ミニトマト、牛乳
  • [夕食]ご飯、鶏もも肉のソテー ほうれん草、大豆もやしナムル添え、ひじき煮物、とうもろこし

葉酸をうまく摂取するための工夫

葉酸は、ゆでるなどの調理によって栄養素が失われやすいビタミンです。意識して毎日摂り、調理法も工夫することで、しっかり摂取することができます。

保存や調理の工夫としては以下のようなものが挙げられます。

①買って来たら早めに食べる!又は、鮮度の落ちにくい冷凍保存

葉酸は光に弱いので、冷蔵庫など暗所で保管しましょう。日の当たる場所で3日間放置すると70%が分解されてしまいます。

冷凍野菜や冷凍フルーツは、新鮮なうちに急速冷凍されるため、栄養価が高いです。

② 味噌汁やスープなど、汁ごと食せる料理!

葉酸は調理中に水に溶け出します。

また、熱に弱いので、加熱し過ぎないようにしましょう。

ただし、塩分のとり過ぎを控えるために、汁ものは1日1回までとしましょう。

③ レンジ調理、時短で栄養素を逃さず便利!

緑葉野菜は根をとり、細かく切らずに洗います。1把の場合2~3分レンジで調理しましょう。

ゆで調理をしてしまうと、葉酸がアスパラは90%、ブロッコリーは60%、ほうれん草は40%程に減ってしまいます。

④ よく噛んで食べると、消化がよく、吸収力がアップ!

栄養機能食品(葉酸)や葉酸が強化された加工食品を上手に活用しましょう

冒頭に述べた通り、葉酸には「食物中の葉酸」と健康食品などに添加されている「プテロイルモノグルタミン酸」のふたつがあります。

神経管閉鎖障害のリスクを減らすためには、食物中の葉酸だけで摂る場合、1日当たり1280㎍の摂取が必要です。しかし、この摂取量は食物からだけでは難しいため、普段の食事に加え、栄養機能食品(葉酸)や葉酸が強化された加工食品からプテロイルモノグルタミン酸を摂るようにします。

製品を選ぶ際には、摂取量や原材料がきちんとわかるものを選びましょう。複数成分が含まれているものは、他の成分にも注意が必要です。

プテロイルモノグルタミン酸は摂取量に注意

プテロイルモノグルタミン酸は、体内での利用効率が食物中の葉酸の約2倍とされており、過剰摂取するとビタミンB12欠乏による神経障害を進行させるなどの報告があります。

厚生労働省によると、健康障害を未然に防ぐために、プテロイルモノグルタミン酸の1日あたり摂取量は、18~29歳は900㎍、30~49歳は1000㎍を超えないようにとされています。過剰摂取には注意しましょう。

サプリメントなどの錠剤や顆粒の形のものを利用したい場合は、自己判断をせずに医師や管理栄養士に相談をしましょう。

なお、食物中の葉酸は過剰摂取による健康障害の報告はありませんので、安心してください。

まとめ

赤ちゃんの健やかな成長のために、おいしくバランス良く食べましょう。

妊娠12週までは栄養機能性食品(葉酸)や葉酸が強化された加工食品も上手に活用して、葉酸を安全に十分にとりましょうね。

参照元
・厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要
・厚生労働省 妊産婦のための食生活指針
・国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報
・食品安全委員会 疾病リスク低減表示特定保健用食品の葉酸(プテロイルモノグルタミン酸)に係る安全性評価の基本的考え方 2016年12月

【執筆者紹介】

管理栄養士
七里 基子

産婦人科を含む病院、大学運動療育センター(非常勤)に勤務。
現在は子育てを軸に「育児ケアオンライン」のサポーターとして活動。食で健やかな身体づくり、 お産にむけて妊娠中の支援を行う。
夫の転勤に伴い日本各地に住み、サッカーを頑張る小・中学生3児の母。

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