【助産師執筆】産後のお母さんに必要な家族のサポートとは?

出産

お母さんの出産と赤ちゃんが誕生することは家族にとって、一大イベントです。

無事に出産したこと、赤ちゃんが元気であることに安堵する一方で、家族はこれからどのようなサポートをしたら良いのかを知りたいですよね。

産後のお母さんは授乳をしながらの生活になるため、生活リズムが不規則になります。

不規則な生活リズムのなかで、体調が順調に回復して、赤ちゃんが元気に成長していくために家族のサポートは必須です。

今回は、産後のお母さんに必要な家族のサポートについて、具体的に助産師が解説していきます。

産後のお母さんは生活リズムが不規則

産後すぐに 赤ちゃんへの授乳が始まります。

授乳は3時間毎というイメージを持っているかもしれませんが、生まれたばかりの赤ちゃんへの授乳間隔は不規則です。

2〜3時間毎の時もありますし、短い間隔だと30分や5分毎の時もあるのです。
さらに授乳は昼夜問わず必要です。

お母さんは、昼夜問わず授乳をしながら、体調の回復をしていくことになります。

体調の回復過程で、産後数日は後陣痛(産後に子宮が収縮することによるお腹の痛み)やおしもの痛みを感じることもあり、疲労と痛みの中で赤ちゃんとの新しい生活をスタートさせるのです。

家族の方には、産後のお母さんがこのような特徴をもっていることをぜひ覚えていてもらいたいです。

産後のお母さんは心も大きく変化する

産後は、身体とともに心も大きく変化します。

出産当日から出産後2日目頃までは、出産で疲れた身体を休ませたいという気持ちが大きく、自身のことで精一杯になります。

産後3日目頃になると、体調も回復してきて、赤ちゃんにたくさん関心が向くようになり、この時期から赤ちゃんのお世話を積極的にするようになります。

また、産後2〜3日頃から理由もなく涙ぐんだり、突然不安になったりするマタニティブルーズも産後の特徴です。

出産後の約半数が経験すると言われていて、産後にホルモンバランスが急激に変化することでおこる一時的な気持ちの変化で、数日で症状が落ち着きます。

産後のお母さんに家族ができる3つのサポート

その1:お母さんがやっていることを認める

産後は昼夜問わず授乳をしながら、赤ちゃんとの生活に慣れようとしています。

家族の方には、お母さんがやっていることをたくさん認めてもらいたいです。「授乳回数が多いようだけど、頑張っているね」などの声掛けをしましょう。

出産体験や育児に関する気持ちを受け止めることも大切です。

また、産後3日頃までは疲労も強く、母乳も少しずつしか出ません。産後に共通した特徴なので、

「母親なのに育児しないの?」

「まだ母乳出ないの?」

といった否定的な声掛けは控えましょう。

お母さんが休みたいと言ったら、家族が代わりに赤ちゃんのお世話をすると良いですね。

その2:お母さんのやり方を尊重する

育児を初めての経験でも、既に育児を経験している場合でも、生まれた赤ちゃんに対しての育児は初めてです。

お母さんは医療者のアドバイスや妊娠中に学んだ情報をもとに、少しずつ赤ちゃんとのペースをつかんで育児をします。

育児の経験をたくさんお持ちのおじいちゃんやおばあちゃんは、「こうした方がもっと良いのに」と感じる場面も多々あるでしょう。

しかし、「こうしないといけない」と育児の方法を強制すると、お母さんは育児に対して自信を失くしてしまいます。

アドバイスが参考になりやすいように、おじいちゃんやおばあちゃんの経験は、「こういうやり方もあるよ」と伝えましょう。

その3:お母さんができない部分を補う

産後は授乳で不規則な生活を送っているため、家事をしたり買い物へ出掛けたりすることは難しいです。

妊娠前の生活に戻すタイミングは産後1か月頃なので、体調の回復とともに、少しずつ活動の範囲を広げていくことになります。

家族の方が、率先して家事や買い物などのお母さんができないことを手伝うと、赤ちゃんのお世話に専念できるようになります。

家族間でよくコミュニケーションをとり、やってもらいたいことを把握した上で手伝うと良いですよ。

お母さんの身体や心の変化を理解して、お母さんをサポートしましょう

産後は身体と心が大きく変化して、赤ちゃんへの授乳も始まります。

赤ちゃんが誕生することは家族にとっても大きな変化ですので、戸惑うことがあるかもしれません。

最も身近な家族が、サポートすることでお母さんも心強くなります。

お母さんの気持ちを受け止めながら、疲れた時には休めるように、できないことを補ってサポートをしていきましょう。

家族全員で育児を楽しみ、お母さんと赤ちゃんの成長を見守ってくださいね。

参照元
日本女性心身医学会 女性の病気について マタニティブルース
http://www.jspog.com/general/details_39.html

系統看護学講座 母性看護学各論[2] 医学書院 第11版第1刷 P.276〜277、421

【執筆者紹介】

助産師、保健師、看護師
菊地 綾香

総合病院、産科クリニックに勤務。看護大学教員として看護学生や助産師学生の教育にも携わる。約8年の助産師経験から得た妊娠、出産、育児に関する確かな知識と情報を届けるための活動も行なっている。

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