【管理栄養士執筆】つわりを上手に乗り超えましょう。食材や食事の工夫を解説

妊娠中の生活

つわりの症状で思うように食べられなくなると、赤ちゃんに栄養を届けられなくなってしまうと心配になることはありませんか?

つわりは、妊婦さんの50~80%の方が経験すると言われており、食欲が落ちる、頭痛や倦怠感から料理をすることが大変な時もあります。

そんな時にどのように食生活を整えたらよいか、管理栄養士が解説します。

つわりはいつ治まるの?

妊娠2か月(妊娠5週~妊娠6週)から始まり、症状がピークを迎えるのは妊娠3か月(妊娠8週~妊娠11週)です。

妊娠4か月から5か月(妊娠12週~妊娠16週)には症状が落ち着いてきます。

つわりの症状

症状は個人差があり、眠気や吐き気、においに敏感になったなどの軽いものから、嘔吐を繰り返し水も受けつけない程重症の方もいます。また、症状は時間帯や妊娠週数によっても変わる場合もあります。

嘔吐により体の中の水分や電解質(ナトリウム、カリウムなど)が不足すると、脱水状態になり、全身状態が悪くなります。

つわりの具体的な症状や対処法については下記のコラムを参照してくださいね。

【助産師執筆】妊娠してつわりが始まった!対処法を解説します

https://blog.ikujicare.jp/2019/07/01/morning-sickness/

吐き気や嘔吐が起きた時の食事の工夫

①脱水症に気をつけ、こまめに電解質も補給できる飲料をとる

経口補水液、スポーツドリンク、みそ汁、スープなどを少しずつこまめにとりましょう。

ストローを使ったり、ゼリータイプは舌で味を感じにくくなり飲みやすいです。
氷はさっぱりするので、味のある飲み物の前後に口に含んでみるとよいですね。

②嘔吐が落ち着いたら、食べやすい食べ物を食べてみましょう

  • 冷たいもの:湯気が出ない温度は香りが抑えられ、においに敏感な時に食べやすい
  • あっさりとしたもの:消化が良く、胃などの消化管への負担が少ない
  • やわらかいもの:消化が良く、消化管への負担が少ない
  • 果物:水分やカリウムを補給できる、例えば、バナナ、りんご、ゼリー、うどん、茶碗蒸しがおすすめです。

③ 少量ずつ食べて、食事の回数を増やす

胃の中に食べ物があると、吐き気や嘔吐が起こりやすくなります。

一度に多くの量を食べようとせず、少量ずつ食べて消化管への負担を少なくします。

例えば、朝食、間食、昼食、間食、夕食など、食事の回数を増やします。

④ 間食を活用しましょう

作り置きのできるミニおにぎりやサンドウィッチは、食べたいタイミングで食べられるためおすすめです。

また、自分の食生活を振り返り、不足していると思うものを食べるのもよいですね。

カリウムや葉酸の補給に果物、カルシウムの補給にヨーグルトや小魚など、意識して食べるとよいですね。

吐き気や嘔吐の時におすすめの食材と調理法

電解質を含む食べ物

  • ナトリウム:食塩、みそ、しょうゆ、コンソメ
  • カリウム:刻み昆布、大豆、するめ、芋、バナナ、りんご、ほうれん草

カリウムが豊富な野菜や芋をたっぷりと加えた、具沢山のみそ汁はおすすめです。

カリウムは水に溶けやすく、汁に溶けだすので食欲がない時は汁だけでもよいですね。

消化の良い食品

  • 主食(炭水化物):ごはん、食パン、うどんなどの麺類
  • 主菜:脂肪の少ない肉、白身魚、卵、豆腐
  • 副菜:温野菜、煮浸し、煮物

人参、かぼちゃ、緑葉野菜の葉、キャベツ、白菜、大根などの煮るとやわらかくなる野菜、芋。

サラダがさっぱりして食べやすければ、食べられるものを食べて大丈夫です。

調理法

  • そぎ切り:厚みのある食材は包丁を手前に引き、削ぐように切る
    切り口の表面積が大きく繊維を切ることができる。加熱した時に短時間でやわらかくなる。味の含みもよい
  • 肉や魚の臭みを抜く:塩、酒を少量振る。おろし生姜を加える
  • 肉や魚の臭みを感じにくくする:食材に片栗粉をまぶす、煮汁で煮る。香りを閉じ込め、つるんとやわらかい食感になる
  • 煮る、蒸す、茹でる:繊維がやわらかくなり、消化に時間のかかる油を使わないため消化がよい
  • 焼く調理:肉は消化に時間のかかる脂身は取り除く。鶏の皮なし肉や赤身を少量の油で焼く

嘔吐の時に控えた方がよい食材

食べ物が胃の中にとどまる時間を短くするために、消化に時間のかかる食べ物や胃の粘膜を刺激する食べ物は控えます。

  • 油っこいもの、固いもの:消化に時間がかかり、消化管に負担がかかる
  • 酸味の強い果物:胃の粘膜を刺激し胃酸の分泌を促す

冷凍食品を利用した、簡単料理

新鮮な旬の野菜の栄養価が優れているのはもちろんですが、冷凍野菜は、洗う、切るなどの手間が要らず、そのまま利用できて便利です。

冷凍野菜は、新鮮なうちに急速冷凍されるため細胞が壊れにくく、風味や栄養価も損なわれにくいです。旬ではない時期の生鮮野菜より栄養価が高いこともあります。

野菜を刻んで保存袋にいれて冷凍しておき、鍋に入れるだけで簡単にみそ汁が作れます。

小松菜、人参、たまねぎ、パプリカは下茹で不要でそのまま冷凍できます。

自宅でも、ステンレスバットの上に保存袋を平たく置き、その上に保冷剤を重ね、冷凍庫の急速冷凍機能を使うと、凍るスピードを速めることができます。

また、料理をすることも大変なときは、冷食やコンビニ、宅配サービスなどを上手に活用するのもいいですね。

まとめ

お腹の赤ちゃんやママ自身の健康のためにも、少量ずつ口にしましょう。

自分の体調に合うつわりの対処法を見つけ、家族や周囲のサポートも得て、つわりの時期を乗り越えましょうね。

辛い時や心配な時は、我慢せずに医療機関に相談しましょう。

 

参照元
・産婦人科診療ガイドライン2017ー産科編
・文部科学省 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

【執筆者紹介】

管理栄養士
七里 基子

産婦人科を含む病院、大学運動療育センター(非常勤)に勤務。
現在は子育てを軸に「育児ケアオンライン」のサポーターとして活動。食で健やかな身体づくり、 お産にむけて妊娠中の支援を行う。
夫の転勤に伴い日本各地に住み、サッカーを頑張る小・中学生3児の母。

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